1月まで好調だったグアムの観光業。2月は世界的な新型コロナウイルスの拡大により、グアムへの来島数にも影響を及ぼすようになってきました。ちなみに今現在、グアムでは新型コロナウイルスの感染者は出ていません。
グアム政府観光局がまとめた今年2月の来島者数速報によると、日本からの来島者数は前年比3.6%の増加だったのに対し、韓国からの来島は前年比ー32.7%と大幅減となりました。
2018年くらいまで低迷を続けてきた日本マーケットは昨年から上昇に転じ、今年も復活が期待されてきました。日本マーケットが足踏みしていた頃、韓国からの来島数はLCCの相次ぐ就航などで大幅に増えて、今では日本を上回るグアム観光業の最大市場に成長しました。しかし今回の新型コロナウイルスによる影響は先に韓国マーケットを直撃し、全体の数字を押し下げました。
グアム政府観光局が発表した今年2月の主要な国と地域からの来島者数速報は以下の通りです。(カッコは前年比)
日本 60,918人(+3.6%)
韓国 40,022人(-32.7%)
台湾 1,438人(-43.3%)
中国 162人(-93.9%)
米本土・ハワイ 7,572人(+4.3%)
フィリピン 970人(-24.3%)
トータル 116,630人(-15.0%)
総数は少ないものの、台湾、中国、フィリピンなどアジア各国からの来島も軒並み大幅な減少となっています。特に中国からの来島はわずか162人でした。
そして2月の総来島者総数は116,630人と、2013年以降で最低の数字となっています。
以下は過去の2月の来島者数ランキングです。
1.2016年 142,647人
2.2019年 137,244人
3.2017年 133,553人
4.2018年 127,185人
5.2015年 126,080人
6.1996年 123,002人
7.2013年 122,072人
8.1997年 117,603人
9.2014年 117,032人
10.2020年 116,630人
グアム観光業は、前述の通り韓国マーケットの成長と、日本マーケットの復活で、2019年は順調に数字を伸ばしました。今年1月についても、同月として過去最高の数字をマークし、観光業の引き続きの好調ぶりを印象づけました。
それだけに、新型コロナウイルスによる影響を受けて大幅に減少した2月の数字に、関係者も不安を隠せません。
グアム観光業にとって、例年1~3月は多くの観光客を迎える繁忙期。好調な出だしだった1月から一転、減少となった2月。3月は今から厳しい数字になることが予想されています。ユナイテッド航空は3/31-4/30までの減便を発表しています。
しかしグアム観光業は、これまで多くの困難を克服して前進してきました。2017年の「北朝鮮のミサイル発射問題」で日本からの来島が大幅に落ち込み、デルタ航空が運航を取りやめ、ユナイテッド航空も札幌便などを運休にしたことがありました。しかしグアム政府観光局が中心となり、各航空会社にグアム便の誘致を行い、その努力により多くのLCCが就航し、市場を活性化させたこともありました。
今は世界中が大変な状況で、しばらくは厳しいかもしれません。しかし、いつか平穏な世界に戻ると信じています。それまで私たちは様々なグアム情報を発信していきたいと思います。
(2020/3/11)